マレーシアから世界とつながる

「多様性」はどこから生まれるのか

マレーシアを一言であらわすと「多様性」だと、先日 Wonder Life LLP さんへのお便りで書きました。日本でも、移民受け入れなどに関連して「多様性」という言葉が、最近多く使われています。

ではこの「多様性」って、いったいどこから来るんでしょう。
マレーシアの場合、「多民族国家だから」というのも一つの理由と思います。宗教や文化の異なる3民族が共存するには、一定の距離を置いてお互いを尊重する必要がありますから。

でも実際暮らしていると差別発言する人にも出会うし、理不尽な思いをする事もあります。一部の学校では教師は絶対的に正しく、体罰や厳しい校則など「多様性とは相反する」ように思える教育もあったり。

当たり前ですが、マレーシアにもいろんなタイプの人がいるんですよね。
多様性を認める人とそうでない人の違いは何だろう?とずっと考えてきたのですが、それは「海外経験の有無」に関係している事に気付きました。

多言語に堪能なマレーシア人、高校卒業後は海外の大学へ進学するお子さんも多いです。
特にこの国でマイノリティである中華系やインド系は、他国での永住権を目標に子供達を国外へ送り出します。そのまま国外に永住する人もいますが、親の介護や「やはりペナンが暮らしやすくて」と戻ってくる人も。

そういう「他国を知った人たちが持ち込んだカルチャーや価値観」が、この国の多様性に影響を及ぼしている一面もあるんじゃないかな、と。

実際、私の周囲の同僚や友人たちは日本人である私とも対等に付き合ってくれるし、お互いの領域へ踏み込みすぎず、心地よい人間関係です。皆、程よい距離感を保つのが上手い。で、ほぼ全員が「海外経験あり」。

まず会社のボスは娘2人がオーストラリア永住権持ち、家族でペナンとオーストラリアを行き来する日常。同僚の1人はイギリスで大学卒業から10年勤務ののちペナンへ戻っています。ローカル友人も海外のカレッジや大学を卒業して戻ってきたり、海外経験の末に国際結婚の人が圧倒的に多い。ローカル系の学校でも、視野が広くフェアなジャッジを下す先生は圧倒的に海外の大学卒です。

もちろん、海外経験がなくても多様性を持ち合わせている人はいるでしょうけど、他国で様々な経験を通じて「さらなる多様性」を母国へ持ち帰る人が多いように感じます。

MAHA MARIAMMAN TEMPLE – PENANG ISLAND

もともと多様性のあるマレーシアですらこうなのだから、日本人が多様性を知るには海外へ行ってみるのが一番早そうです。たとえ短期間の旅行でも「世界のスタンダードは日本のそれとは違う」「正解はひとつだけでは無い」と思わされる出来事を経験すると思います。そしてそれは「様々な事に疑問を持ち、自分の頭で考えて行動する」為のキッカケにもなり得ます。

これから、Mangoが海外の旅先で遭遇したカルチャーショックの数々をシェアしていきますね(笑)小さなエピソードの積み重ねが、人生に大きく影響しました。

以前の記事「世界を知ったこどもたちが日本を変えていく」でも多様性について書いています。良かったら読んでみてください。