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ペナン教育移住3年8ヶ月ーローカル校で質の高い教育を受けるのは可能?

今年1月から中華学校へ転校した娘(14)、先日フォーム2(日本の中2/インターのYear8)の学年が修了しました。クラスメイトやTutorに助けられながら親子で走り続けた1年間、無事に進級も決まり、親の私はホッとしてやや放心状態です…(°Д°)(笑)

中華学校では、テスト結果・授業態度・クラブ活動などの総合評価で点数を割り出します。基準点に満たないと次の学年へ上がれないので、落第だけはなんとか避けたい!と必死でしたが、終わってみたらなんと年間成績クラスで1番を取得し、スポンサー企業から表彰状と賞金を頂いてビックリ!

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(賞金ってところが中華系っぽいですね…笑)

娘自身も驚きつつ、頑張りを評価されて素直に嬉しい様子です。(ただし外国人は歴史と地理が免除されています。ローカル生徒より中国語レベルが低い分、2科目免除のハンデをつけてもらっての評価なので、”外国人の中での一番” と捉えた方が良さそうです…^^;)

そんな思いがけない結果+来年からは成績順で一番上のクラスへとオファーが入り、さらにアワアワしております(´Д` )一番下のクラスから一気に最上クラスという事で娘も少々悩んだものの、折角頂いたチャンスなのでクラスを移る事に決めました。挑戦はまだまだ続きます…。

実は中華学校での経験を記事にするのに、どんな切り口で書こうかと悩みました。
この濃厚な1年間をどうまとめようか?(笑)少なからず中華学校に興味のある方も居るようだし、ノウハウ的な事をお伝えしようかとも考えましたが、思うところあってそれはやめました。本気で転校をお考えの方はご相談に応じますので、お問い合わせください。

また中華学校の概要は、以前野本響子さんに取材して頂いた東洋経済ONLINEの記事でもご覧いただけますが、取材時には個人的な事情で躊躇して言えなかったことを少し書きたいと思います…。

我が家が中華学校への転校を考えた理由

以前の記事でも書きましたが、再度振り返ってまとめてみます。①〜②は「この地だからこそ得られるメリット」を重視したものです。

①中国語の習得
・英語が一定レベルまで到達し、次の言語へ挑戦する余裕ができた
・中華系住民の多いペナンの環境を生かさない手はない
・使えるツール(言語)を増やしておくのは悪くないよね?

②現地の人に溶け込む(ローカライズ)
・海外暮らしは現地の人の中に入ってナンボ&諸々合理的である
・ローカライズの経験が、将来暮らす国でも活かせるだろう
・他国文化をより間近で経験し、自国文化以外への理解を深めてほしい

もう一つは、実は私の中で一番重要かつ挑戦したかったこと。そして言えなかったこと…。

③既存システムからの脱却
・質の高い教育は、高額の学費と引き換えにしか受けられないものなのか?
・教育=ビジネスはあるべき姿なのか?
・学校に全てを依存するのは違うんじゃないか?

インターの学費が年々高騰していく中、こんな疑問がどんどん膨れ上がってきて。
そもそも私は東京での「超消費型生活」を変えたくて、日本を離れる際にそんな生活からは少しずつ距離をおこうと決めたのに、またペナンでお金に頼った生活に逆戻りしている…?それに「教育機会は全ての子どもに平等であるべきなのに高学を支払う必要があるのか?」と思って。そんな理由から、

教育ビジネスに搾取されたく無い → 教育は本来パブリックなもの → ローカル校

という流れでの選択でした。実際、友人の優秀なマレーシア人は全員ローカル校出身なんですよ。外国人にもその門が開かれているのなら挑戦してみようじゃないか、と。

実は最初の転校記事を書いた後、それを読んだ日本人の反応がとても興味深くて。
頑張ってね!と応援の声を下さる方が大半でしたが、中には「なぜレベルを下げるような事をするのか?」という方や(ローカル校の方がレベルが低いという認識のご様子)、私のブログの一部を引用して「英語だけで十分、中国語など必要ない、複数言語の習得がすごいと考える浅はかな親」というご批判の声も。

あ、ちなみに落ち込んだりはしなかったですよ!
批判に至るその方達の心理はどんなんろう?って。「あくまで我が家のケースです」と注意書きしたにも関わらず過剰に反応されるのは、学費の安いローカル校で万が一上手く行かれたら何か困るのかな?その方達も、何かに疑問を抱き不安を抱えているのかもしれません。あくまで憶測に過ぎませんが。

…ここからようやく本題です(笑)

ローカル校で上質な教育を受けることは可能か?

結論から言うと、私は可能だと思います。娘のローカル校、なかなか良いですよ〜^^
校則は厳しく日本の軍隊式と似ている面もありますが、別に洗脳されてはいないです。皆めちゃくちゃ文句言ってます。それティーンエイジャーとして正常な反応!(笑)あとは落第があったり学力にシビアな分、自主的に勉強するようになりましたね。上位ローカル生徒のアカデミックレベルも非常に高く(これについては、別の機会で触れたいと思います)女子校ならではのユニークなカリキュラムも好印象です。もちろん100%満足とはいきませんが、現状ではプラス面の方が上回っています。

ただし、中華学校はどこも英語は弱い傾向なので、インターで3年間基礎英語力を固めてからの転校でよかったとは思いました。娘の学校は英語or中国語での入学テストで合否ありですが、中には英語・中国語がほぼゼロでも「ファウンデーションコース」なら受け入れOKな学校があるようです(その場合教わる英語の間違いに自力で気づくことが困難なので、中国語の他に英語も校外での補習が必須と思われます)。

そもそも「上質な教育」とは?

家庭によって求めるものも様々でしょうし、上質の定義も異なると思います。
我が家の場合、学校に多くを求めていないので基準が低いかもしれません。
「生きていく上で本当に大切なことは親から伝えていく」と思っているし、学校には親にできない事を教えてもらえればそれでOK。中国語とか、科学とか、数学とか、数学とか、数学…(母ニガテ笑)あとは友達をたくさん作って、遊んで喧嘩して人間関係を学んで欲しいです。英語はすでに基礎があるので自力でなんとかなりそうだし、私は世界を旅して様々なことを学んだので、子供達にもあちこち旅させたいですね。

多言語を学ぶとアイデンティティの確立が心配?

こんな声もよく耳にします。ご家庭の環境にもよると思いますが、10年間日本で過ごした娘に関しては全く心配していません。我が家は両親ともに日本人だし、自分のルーツが日本であることは常に意識しているように見えます。また多言語・多国籍の環境にいるからこそ「自分が日本人であることを意識せざるを得ない」場面が多いです。周りが日本人ばかりだったら意識する必要ありませんからね。別に何語を喋ってどんな学校へ通っていようが、現地に溶け込みすぎて日本人じゃなくなるようなことは無いと思っています。

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教育以外でも「お金に頼らないオルタナティブ&サスティナブルな暮らし」を模索しています。とは言っても、ローカル校でも外国人だからちょっと高い学費だし(^_^;)、スーパーでも買い物するし(^_^;)、新しい服も欲しくなるし(´Д` )、まだまだ理想と現実のギャップはありますが、少しずつ変えていきたいです。それからいろいろあって、思っていることはハッキリ言うことに決めました。

今回の記事が、インターへの批判では無いことをどうかご理解頂けたら幸いです。
我が家の息子(7)も、英語の基礎を固めるべくインターへ通わせていますし、インター校の素晴らしい面もたくさん経験して知っていますので。

今後も様々な角度からの情報をお伝えしていきます。
学校選び、海外での暮らし方、それらの一例として読んでいただけたら嬉しいです\(^o^)/