現在、意識して心身充電中のMangoです!
ホリデー中の娘と映画鑑賞したり、ヨガを再開したり、愛犬との朝散歩もたっぷり45分。週末はペナン島南西部のカンポンでのんびり過ごしています。不思議なことに、趣くままに進んだ先々で出会う人や出来事が見事にリンクして、何かに導かれている感が…?! その “何か” が見つかったらまた記事にしたいと思います。
さて年末も押し迫り、ずっと気になっていた書きかけ南インド記事の続きを…と日付を見たら、すでに1年以上経っている!放置するにもほどがありますね…(汗)
昨年の南インドに加え、今年訪れたスマトラ(インドネシア)での体験も交えてお伝えしたいと思います。
前回の最後に書いた「やはり自分達は外国人」「マレーシアはある意味特殊なんだ」と気づいた場面が、旅の途中で幾つもありました。まずは南インド・フォートコーチンのフェリー乗り場での出来事から。
私は全く気付かずに男性の列に並んでいたのですが、親切な男性が「女性は隣の列だよ」と教えてくれました。ほーっ!ちなみにフェリー内部では明確な区分けはないものの、なんとなーく男女別に固まっている印象でした。
この日はひざ上20cmくらいの短パンを履いていた娘(当時12歳)。
フェリー内で近くにいた推定20代の女性グループ、その中のひとりが娘の足を見て驚き“はっ…”と息を呑んでいる様子が分かりました。あぁやってしまった…滝汗
気を付けていたのに、コーチンはキリスト教徒が大半なこと、前日に短パンを履いた白人ティーンエイジャーを見かけたことから「もしかしたらインドでも南部は大丈夫かも?」と油断してしまったんですね。
これはまずい💦と、その後は薄手のパーカーで膝上部分を覆い隠しました。
行き先の海岸で動きやすいようにと短パンを履かせ、大後悔の母(涙) 親はまだまだ子供と思っていても、12歳は微妙な年齢だったかもしれません。
↑色鮮やかなパンジャービやサリー姿の女性たち。誰も足は出していません…
↑こちらは駅構内の売店付近。女性の服装がとにかくカラフルで見ていて元気が出ます。
その後、電車に乗って海岸へ。
↑駅のホームにて。
砂浜を散策していると、息子が「日本人の子供初めて見た!カワイイ!」と地元の女子高校生グループに囲まれ大モテ(笑)
男子生徒も加わり話が盛り上がっていたところで、
茶色い制服のコワモテ男性が近づいてくる → 地元のマラヤーラム語で高校生たちに何かを質問 → 楽しい空気が一変し緊張感! → 男子高校生2人をどこかへ連行
何が起こったのか全く理解できない私たちに、
・男性は警察官であること
・学校帰りに制服で寄り道をしていたので代表者2人が連れて行かれたこと
を、残った高校生が英語で説明してくれました。き、厳しい…
お国が違えば寄り道も警察沙汰になってしまう、と知った南インドの旅でした。
↑制服もパンジャービ、パンツとスカーフのくすんだ紫色が素敵!娘が脚に巻きつけたパーカー、おわかり頂けるでしょうか…
次はマレーシアのすぐ隣、インドネシア・スマトラ沖の小さな島を訪れた時のこと。
私たちの滞在先はAirbnbで見つけた海沿いのコテージ。
観光地から離れたカンポン(田舎)ど真ん中だった為、ホストからの注意書きにも「保守的なムスリム住民が暮らす小さな村なので、肌の露出は控えてください」とありました。
↑海沿いの高台にある、こんなのどかな村にステイ
実際、シュノーケルへ出かける際も、ちょこっと近所へ買い物に行くにも、ひざ下が出ていると「サロン(腰巻)巻いてね〜」とやんわり注意されました。到着時の空港内でも、ミニワンピを着用していた女性がサロンを巻くよう促されていました。
マレーシアでも金曜礼拝の時間は、お役所も商店も閉店が多いですが、ここでは金曜は終日シュノーケルやダイビングの船はお休み、ビーチで遊ぶのは良いが水着になるのは不可、とされていました。ビーチ以外の食堂や売店も、昼間は閉店が多かったです。
↑金曜礼拝や断食明け、独立記念日などは船が出ません、という看板
↑ビーチに掲げられたバナー。「公共エリアではきちんと服を着てください」って、水着姿のままでウロウロする外国人が目に余ったのでしょう。美しい海が売り物のこの島、観光は大事な収入源だけれど、自分たちの暮らしを荒らされたくないという断固とした決意表明にもとれました。
過去に訪れたバリ島もインドネシア国内だけれど、バリヒンズーが主なんですね。
今回訪れたこの小さな島では「インドネシアはイスラム教が76.5%で、世界最大のムスリム人口を抱える国」というのを改めて実感した出来事でした。
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「不自由な旅」とタイトル付けましたが、私個人はこの程度では”不自由”とは感じなかったんです。
何のおとがめもなかった息子に至っては
「インドの電車すごい汚かったね!なんでー?」
とか、呑気な感想(笑:お気楽男子!)
でもいちばんトバッチリを受けた娘にとっては “もんのすごい不自由!” だった様子で、
「短パン履けないなんて暑くて耐えられないしインド女子はかわいそう!私インドには住めない!」
と憤慨していました。
そして各国の慣習の違いについても、「郷に行っては郷に従う、その国のルールに従うのが礼儀、不自由は受け入れるべし」と考える私に対し、娘はこう言うんです。
・理解はできるけど、その国の価値観を旅行者へ押し付けるのは違くない?
・互いの文化を尊重し合うのなら、非ムスリムが足出すのは自由でしょ?
・逆にムスリムが非ムスリム圏のビーチへ行ったら、ビキニで泳ぐの?
うーん…これ私には思い浮かばない発想だったので、しばし驚き考え込んでしまいました。
言われてみれば確かに、一理あるかもなぁ…。
私も自分の価値観を娘に押し付けいてたなと反省したのでした。
みなさんは、どう思われますか?
私はこの文化・慣習のギャップの埋め方について、結局どこにも正しい答えは無い、と思いました。
というか視点が違うだけで、それぞれの立場でどちらも正しいんです、きっと。
娘が感じたことも娘の立場では間違ってはいないし、それを踏まえて互いに歩み寄る他はないのだと。
でも、この「答えを問い続けること」が、大事かもしれない。
考えることを放棄せず、探し求めることで「世界には様々な文化があり、自分と違った考えや宗教観が溢れている」と気づき、人と違うのが当たり前になれば、みんな楽に生きられるんじゃないかな。
「自分と人は絶対的に違う」という大前提を子供たちの心に刻み込みたくて、私は旅を続けているのかもしれません。
しかしこの2箇所と比較しただけでも、いかにマレーシアが多民族国家として成功しているか(過去に多々衝突はあり、現在も様々な問題はあるにせよ)というのが分かります。
極端な話、肌を覆ったマレー系とキャミソール+短パンはみケツの中華系が隣り合って食事をできる国は、世界でもそうそうないと思いますよ!
このマレーシア人の「他人への干渉しなささ」について中華系のローカル友に尋ねたところ「それがこの国で生き抜く術だから」と言っていました。これ、日本人にも大いに参考になる部分がありそうです。
これからも「答えの無い問い」に向き合いつつ、子供たちと”不自由な旅”をしていきたいです。
↓おまけ↓
南インドを訪れたらカタカリダンスをお見逃しなく!出演者は男性のみ、目で演技するところなどが日本の歌舞伎にとても良く似ています。顔料はすべて天然素材、メイクの準備段階から鑑賞できて子供たちも飽きずに見入っていましたよ〜