マレーシアから世界とつながる

ペナンで過ごした人生の夏休み〜日本語パートナーズマレーシア5期を終えて〜

国際交流基金の日本語パートナーズ マレーシア5期としてペナン州に派遣されていました、庄村 夢です。マレーシアの公立中等教育機関で、現地の日本語の先生のアシスタントとして約8カ月半活動をしており、10月上旬に日本へ帰国しました。

マレーシアでは大変なことも多々ありましたが「これまでの人生で一番充実していた8カ月半」と言っても過言ではない時間を過ごすことができました。

日本語パートナーズ マレーシア5期のメンバー。8カ月半、それぞれの赴任地で一緒に戦った同志です。

日本人から見たマレーシアのイメージは?

マレーシアから帰国し、久しぶりに家族や友人と会って楽しいひとときを過ごしています。その会話の中で、マレーシアの文化や人について様々なことを尋ねられました。その時に気づいたことが二つあります。1つ目は、マレーシアと他の東南アジアの国々のイメージが混ざっている人が多いことです。例えば、

「マレー人って小柄で痩せている人が多いよね」

「マレー料理って野菜が多くてさっぱりしてヘルシーだよね」

と言われましたが、それはベトナムのイメージかもしれないですね。

二つ目は、多様な民族で構成されている国・社会なので「マレーシアは(マレー人は)××」と言い切ることが難しい、ということです。例えば

「マレーシアでは豚肉が食べられないよね」

と言われましたが、豚肉を食べないのはイスラム教徒の方です。中華系マレー人やインド系マレー人はイスラム教でないことが多く、肉骨茶(バクテー、豚肉のスープ料理)は中華系屋台の大人気メニューで、私も大好きです。でも、スーパー等では豚肉の売り場・レジは厳格に分かれていますし、公立学校の食堂では豚肉を使った料理は提供されません。

マレーシア人から見た日本のイメージは?

マレーシアとそれ以外の国のイメージが混ざっている日本人が多いように、日本とそれ以外の北東アジアの国のイメージが混ざっているマレー人も多かったです。生徒たちから韓国ドラマやK-POPについての質問をたくさんされましたし(全然答えられなかった!)

「アンニョンハセヨ」「サランヘヨ」

と挨拶をされることもありました。また、

「日本人は礼儀正しくて優しいから、イジメってないよね」とか
「日本では毎日寿司を食べるの?」

といった質問をされたこともありました。

実家近くの田んぼ。マレーシアの田園風景と似ていますが、ヤシの木がなくて寂しい気がします。もしかして逆ホームシック?

日本では「マレーシアってどんなところ?」、マレーシアでは「日本ってどんなところ?」という質問をたくさん受けました。私が日本とマレーシアを行き来したことで、それぞれの国で、お互いに興味を持ってくれる人が増えるのは、とても嬉しいです。

そして私自身、行き来して、初めて気づいたこともたくさんあります。今後も、BEYOND MALAYSIAで、私の感じたことや気づきなどを引き続き発信していきたいと思います。

帰国したら絶対食べたいと思っていた名古屋の名物ひつまぶし。美味しかったです。


庄村 夢
高校時代に2年間の米国留学、大学時代に8カ月のカナダ留学を経験し、日本語を母語としない人に日本語を教える「日本語教師」の仕事に興味を持つ。大学卒業後、約18年間、日系のメーカーに勤務。退社後、日本語教師養成講座420時間コースに通学。2018年に日本語教育能力検定試験に合格。2019年1月より9月末まで、国際交流基金 日本語パートナーズ マレーシア5期として、ペナン州の公立中等教育機関に派遣され、日本語クラスのアシスタントや日本文化紹介などの活動に従事。