こんにちは。海外生活17年、心理カウンセラーのエイミーです。
嬉しいことに前回のコラムでお伝えした『視点を変える』というポイントに大きな反響を頂きました。
そこで今回は、それに関係する2つのお話をしたいと思います。『謙遜』と『からかう表現』が今回のテーマです。
皆さんは、ご自分やお子さんが褒められた時、どんな反応をしていますか?例えば、子どものクラスメイトのお母さんに、
「〇〇ちゃんは字を丁寧に書いていてえらいね」
と言われたら何と答えるでしょうか。
①「そうなんです、ありがとう」と素直に答える
②「そんなことないのよ、時間かけすぎで」「もっと早くやればいいのに」等と謙遜して答える
この日常的によく交わされる会話を、ちょっと考えてみましょう。
①はストレートで、中には躊躇する方もいるかもしれません。でもこれは、子供を褒めてくれた人と子供自身の双方を肯定する答え方になります。
②の『けんそん』は、大人にとっては深い意味はないかもしれませんが、子どもは『大人が言うことを言葉通りに解釈している場合が多い』んです。つまり、謙遜する事で無意識にお子さんを傷付けてしまう事にも…。
これは、長年多くのお子さんをカウンセリングする中で気づいたこと。なにげない言葉が心にダメージを与え、子どもの自信を奪うこともあるんですね。
実は、私は父に「お前はキノコだ」とよく言われていました。
いっけん可愛いキャラか?!と思われるかもしれませんが、父が言ったのは「いつどこに出る(出かける)か分からない」と言うキノコの特性を私の行動にあてはめた意味でした。
家でじっとしているタイプではなく、いつも外にいる子だったので「キノコ」。今思い返せば父に悪気は無かったのかもしれませんが、当時の私は嫌な感じにしか受け取っていませんでした。
皆さんも、子どもの頃に親からよく言われたことを、思い出してみてください。
それはどんな言葉ですか?
嫌な表現でしたか?それとも「やってみよう」という気持ちや、「大丈夫」という安心、そして自信を持って行動したいと思えた表現でしょうか。
私自身の子供時代の経験から、気を付けていることがあります。それは、
「誰に対しても、行動や性格をからかうような表現はしない」
ということ。そして
「謙遜はせずに、素直に感謝する」
「すごいね」と言われたら「ありがとう」というと、言った方も言われた方も、心がウキウキしますね。
親なら誰しも、子どもにしっかりやって欲しいという期待はあるもの。子どもに良かれと思い指摘しているかもしれません。
でも子どもが「やるぞ、できる!」と行動していくには、自己肯定感を育むことが欠かせないので、オトナ自身が視点やとらえ方を変える発想を伸ばし、子どもの成長をサポートできる言葉がけが大切なのです。
「オバマ元大統領だったらどんな言葉をかけるかな…」
なんて考えてみてください。ちょっと楽しくなりませんか?え?できない?!
「イエス、ウィー キャン」^^。
吉田エイミー
心理カウンセラー。東京都出身、海外生活17年目。
洗足学園短期大学英文科卒業、アメリカボストン・レスリー大学卒業、アメリカボストン・ノースイースタン大学カウンセリング心理学修士過程修了。
アメリカでは心理カウンセラー、スクールカウンセラー、日本人留学生アドバイザーとして活動。帰国後は私立大学の学生相談員、日本へ赴任する外国人駐在員ファミリーのサポート業務に従事。マレーシア・クアラルンプール在住時は、教育移住・留学相談、学校見学アレンジ等を行った経験も有り。人種を問わず多くの方から「海外子育ての自信がついた」「可能性が広がった」といった声が寄せられている。